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気がついたら僕は獣のように大人逹の一人の首もとに噛みついて引き千切っていた。
「ギャアァッ!!」
「貴様ッ!何をするッ!?」
悲鳴とか叫び声とか微かに僕の耳に届いたが無視した。
ただその噛みついた大人の体を自分でも驚くぐらい強い力で引き裂き喰らっていた。
『クチャクチャ』
肉を喰らい、血を啜る。
周りにいた他の大人逹にも飛びかかり、それを繰り返す。
何人目を喰らっていた時だろうか。
ある一人の大人が僕の頭を指さして脅えたように叫んだ。
「こっこいつ頭に角があるぞ!鬼だ!」
どうやら僕は人を喰らっているうちにその血の穢れと怒りのあまり鬼となってしまったいたらしい。
しかしその時の僕にはどうでもよかった。
ただ母さんを傷つけた人間供を喰らいたかった。
血を啜るたびに僕の力は強くなっていく。
「化け物だ!殺せ!」
村人逹は僕に刃を向け、切り裂こうとした。
しかし僕にはきかなかった。
逆に喰い殺されていく。
「アハハ!全部壊れちゃえ!」
僕の精神はもう狂気にのみ込まれていた。
赤い血と悲鳴。
ただそれだけを求める本当のバケモノだった。
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