0・彼氏は上様

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当代将軍の側用人。 深鞍響雅(ミクラ キョウカ゛)は、呆然としていた。 この世に生を受けて16年。 こんなに呆然としたことなど無かった。 …あ。 もう一回ぐらいはあったかも…。 確か彼が5歳のとき、姉が彼の布団に花瓶の水をぶちまけて、世界地図がどぉーたらこぉーたら…。 いやいや。 今はそれどころではない。 何故なら、その姉の祭午(マツリコ゛)が、重都(エト゛)にやってくるというのだ。 しかも奥川将軍家の居城である、この重都城に…。 響雅 「う…上様…」 響雅は、のん気にココアを飲みながら、優雅にBL携帯小説なんぞを読んでいる当代将軍、奥川宗晃(オクカ゛ワ ムネアキラ)に話しかけた。 宗晃 「んー?」 ………実にのん気である。
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