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そして、腐男子のクセに無駄に貴公子である。
目許涼しげな甘いマスクと均整の取れた肢体。
優雅な挙措と相まって、見ているだけで溜息がこぼれてしまう超絶美男子である。
思わず見とれそうになった響雅だったが、手元の書状をハタ!と思い出し、気力を振り絞って宗晃に言う。
響雅
「あ、あのぉー…。
僕の姉がですね、来るみたいなこと、この書状に書いてあるような気がするんですけどぉー?」
宗晃
「すごいよね。女性初の太政官で武家伝奏も兼任なんて。
さすがは稀代の才女と名高い祭午姫だよね」
響雅
「………………」
そうなのだ。
響雅の姉、祭午姫は史上初の女性太政官で、従三位中納言の階位に叙せられている。
この異例中の異例の人事には様々な理由があるが、ともかく有り得ない人事である。
そんな空前絶後の女性太政官に抜擢されただけあって、祭午姫は確かに聡明であり、
並みの男など鼻先で吹っ飛ばされるほどの高い才気を持っていた。
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