第一章 ~桃との出会い~

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 と、丁度そこへ、おじいさんが芝刈りの作業を終え、帰ってきた。  そして、おばあさんと目が合った瞬間、家の中に険悪な空気が流れる。  おじいさんは黙って座ろうとしたが、いかんせんまな板の上にある今まで見たことのない大きさの桃に、口を開かずにはいられなかった。 「おい、なんだそれは?」 「別に、何だっていいでしょ」 「いいわけないだろ」 「いいじゃない。それに、この家に『おい』なんて人はいません」  その言葉にカチンときたのか、おじいさんは床を叩いて立ち上がる。 「なんだとぉ!? だいたいお前な、家に置いてもらってるだけで有り難いと思えよ!」  おじいさんの言葉に、これまたおばあさんもカチンときた。 「何よ! だいたいアナタこそ、いつもいつも帰って来るなり怒鳴り散らして…!」 「嫌なら出ていけ!」 「すぐそればっかり!」  二人は徐々にエスカレートしていく。  おばあさんの包丁を持つ手が震える。  そして遂に、おばあさんが手を振り上げたその瞬間、 「待て!!!」 
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