第一章 ~桃との出会い~

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 二人は世間の喧噪から離れた山奥でゆっくりと年を重ね、おじいさんとおばあさんになっていた。  しかし、二人の間にかつての愛はない。 子供を授からなかったせいか、徐々に徐々に、二人の距離は離れていった。  今は、家にいてもお互いに会話すらない。 無言で起き、無言で食事をし、無言で床に着く、そんな日々を送っていた。  そんなある日、おばあさんが近くの川で洗濯をしているときに、事件は起こった。
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