拉致とは違うん?

6/7
前へ
/146ページ
次へ
「ごちそうさまでした。」 神は全て綺麗に食べあげた。 俺は皿を片付けつつ聞いた、 「神様は、名前とかないのか?呼びにくいんだけども。」 「名前、ですか…。今まで特に呼ばれることはなかったですから、特には。」 そうか、と相づちを打ちながら食後のコーヒーを煎れた。 「どうも。」 神は角砂糖を2、3落としつつ、話始めた。 「そろそろ、話ましょうか。」 ようやく、話をしてくれるようだ。 ブラックのままコーヒーをすすった。 「何から話ましょうか?」 「取り敢えず、俺を拐った理由の実験についてお願いする。」 神は、わかりました、と話始めた。 「まず実験と言うのは、上からの命令です。」 上?神より上のやつがいるってのか? 多少いぶかしげ顔をしたが、続きを促した。 「それについては長くなるのでまた後日話します。内容について説明します。」 何だか空気が重くなってきたな。 神様にもさっくまでの笑顔はない。いたって真剣な顔だ。 「一つ目の内容は『人を遥かに超越した者と遭遇した場合の反応』の調査でしたが、これはもう、上に報告済みです。」 「まだ、あるのか。」 神様は、一気に冷めたコーヒーを飲み干した。 「えぇ、現時点では残りの実験は後、3つ。」
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加