尋問じゃない、話し合いだ。

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「あんたは、誰だ。」 先に口を開いたのは俺だった。 「あんたを殺せば、この空間から抜け出せる…。」 …なんだと。俺を殺すだと。 「どういうことだ。」 「煩い、もうそんな時間は無いんだ。」 少年は一歩、また一歩と徐々に距離を縮めてきた。 「やめろ、止まれ。」 少年は止まらない。 そして、間合いに入った少年は刀を大きく振りかぶり、勢い良く振り下ろした。 「くそっ…。」 俺は何とか刀を構え、攻撃を防いだ。 しかし、刀は何処かへ飛ばされ、俺はその場に膝をついた。 それは少年も同じことで、刀は見当たらず、その場にうつ伏せで倒れていた。 くそっ、と少年は腰の辺りに手を回した。 まずい、状況が同じならこいつも持っているはず。 俺は片手だけで上半身を支え、出来る限り素早く銃を抜いた。 体制的に有利だった俺は、少年が銃を抜く前に額に銃口をあてた。 「待ってくれ、殺さないでくれ。」 命ごいか、さっきまでの威勢はどこに行ったんだか。 「お前は何故ここにいる。」 少し沈黙したが、答えてくれた。 「少し前に、気が付いたらここにいたんだ、それで言われたんだ、出会った男を殺したら帰してくれるってな!」 少年は勢い良く銃を抜いた。 「…馬鹿なやつ。」 すでに少年は息をしていなかった。 躊躇(ためら)ってなんかいられなかった。
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