生活の知恵は、活かそうよ。

3/15
前へ
/146ページ
次へ
何も感じないなら、壊れてしまったなら、それでもいいか。 その方がこれから楽に生きていける。 俺は上半身だけを起こし、窓の外を見た、まだ日は高い。 その時、不意にドアが開けられた。 視線を窓の外からドアに向けると、そこには神様が立っていた。 神様は静かにドアを閉め、ゆっくりて近寄ってきた。顔にいつもの笑顔はない。 「帰ってたんですね。」 「あぁ、おかげさまで酷い目にあえた。しかし、感謝もしているよ。」 俺は肩をすくめてみせた。 「驚きましたよ、まさかあなたががあんな行動にでるなんて。」 「調べたのか。」 俺はベットから降りつつ言った。 「えぇ、ついさっきあなたの詳しい情報が届きました。」 「…これから共同生活だ、仲良くしよう。」 わかってますよ、と小さな溜め息と共に言った。 「にしても、本当に物分かりがいいですね。そっちが本性ですか。」 神様の顔には笑顔が戻っていた。 「気にすんな、ばれなきゃ大丈夫さ。」 「そうですね、それでは、昼御飯の時間です。」 神様はもうすでにドアノブに手を掛けていた。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加