プロローグ

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俺は長い間考えていた。 その中で、一つだけ気にしている事がある。 この、目の前の青年だ。 女顔ではあるが、男であろう。 どこで判断したかは秘密だ。 ちょっと辺りを見回していたときに現れたようだ。 方法はともかく、だ。 話しかけるしかないだろう。 どんなに不審でも、周りにはこいつしかいないからな…。 少し躊躇ったが、これしかないと自分に言い聞かせた。 「…どちらさんですか。」 青年は、笑顔を崩さず言った。 「私は、神様です。」 …俺は知っている。 今の時代に面と向かって神様なんて言う奴にろくな奴はいない。 つまりだ。 こいつは、ろくなやつじゃないって事だ。
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