拉致とは違うん?

3/7
前へ
/146ページ
次へ
「何ですか、まだ私が神だって信じてなかったんですか。」 「当たり前だ、俺はそこまで信心深くないし、物分かりだっていいほうじゃない。」 神様は少し考えていたが、やがて諦めたようだ。 「分かりました。」 カミサマが指を鳴らした。 一瞬、視界が真っ暗になった。 そして、 「はー…。」 驚きで微妙なリアクションしかとれなかった。 「これなら、信じてもらえましたよね。」 風景が変わった。 さっきまでのビル群は姿を消し、どこまでも白い空間がそこにあった。 「…どうやったんだ。」 「人間には到底理解できません。」 そうか、あれか。 「ハ○レンみたいなもんか?」 「いえ、全く別物です。」 「てかカミサマ…ハ○レン知ってるのか。」 「神なうえ暇なもので。」 カミサマは掌を上に向け、溜め息をついた。 「…とりあえず、話は聞く。」 こんなものを見せられたら信じる他なかった。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加