1.

6/14
前へ
/120ページ
次へ
「ま、待ちなさい! それじゃあ、由佳は死んだということ?」 「そうなるな」 信じられない。 信じるものか。 昨日まで生きていた者が、そんなに容易く死んでなるものか。 よりによって、己の心とやらに。 「う、嘘。 だって、そんなニュース聞いたことがない!!」 が、少年はあるとそれを否定した。 「なんだよ。自殺のニュース、聞いたことがないわけ? 心にやられた人は、自ら命を絶つ。 殺されたって言っても、それは自分から死を選んだ結果だ」 それは意外に、身近な事件だった。 自殺。 「そんで、自殺まで追い込んだ奴を殺そうとするんだな。 道連れって奴?」 「その、憎んだ相手が……由佳を自殺に追い込んだ人が、私だったというわけ!?」 他に誰がいると静かに返事する。 美由紀は愕然した。 「そんな……」
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加