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まさか、由佳が自殺をするなんて、思いもしなかった。
明日も、明後日も、ずっと苛めが続くと思っていた。
苛めに、由佳はいつか慣れるという確信を不思議と持っていた。
そうしたら、少し過激にすればいい。
そして、また慣れたら、また過激する。
そうして、続くと思っていた。
それなのに、どうだ。
結局、ほんのわずかな時間で何もかもが変わった。
美由紀の確信は、容易く打ち砕かれた。
後戻りは出来ない。
これだからと、美由紀は心の隅で念じた。
これだから、嫌いなんだ。
想像する未来とは全く正反対の人生。
未来が視えるなら、きっとこんな思いはしなかった。
未来が視えない世の中が、嫌いだった。
そして、由佳はそんな世の中を縮小した人間だった。
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