2人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれだけ酷いこてしたんだもん。
憎む気持ちも分かるでしょ?
私、あなたが憎いわ。
憎いのよ」
ああ、そうかと美由紀は知る。
由佳は、死んだんだ。
だから、憎いという言葉が吐けるようななったんだ。
そこまで考え、もう一つ知った。
自分は、なんて都合のいい人間なんだと。
むしろ憎むのが当たり前で、その言葉を口にするのが当然だった。
だが、由佳はきっと、そんな言葉を使わないという勘違い。
その言葉を発したことを根拠に、死んだのだという願望。
まったく、都合のいい生きものだ。
「殺したい。
殺したい。コロシタイ!
ようやくこの時が来たんだ!!
ねぇ、よく分かったでしょ?私は悪くない。
こうなったのは、全てあなたのせい。
だから、あなたが死んだって、それは当たり前。
憎いのよ。
さぁ、殺させて?」
最初のコメントを投稿しよう!