第四章

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その言葉に、二三が大きく目を見張って振り向く。しかしランとしては本音を言ったまでなので、真っ直にその瞳を見返した。 小さくて可愛いのに、愛しいものを守る為には躊躇なくその身を投げ出す少女。 ……そんな存在が『他にもいる』なんて思っていなかった。 (欲しい) (強いから、だけじゃなくて……この子が、この子だから欲しい) 不審がられないように、微笑んで見せながらも――胸の奥では、目覚めた『欲』が狂おしい程に叫んでいた。
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