第零話:プロローグ

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枯れ果てた海と大地、吹き荒れる風と紫の雨。 あらゆる生き物が死に絶えたえ、何処までも続く『闇』が空間を覆っている。 ここが世界の果てなのか。 元からこの様な場所なのか。 それを知る者は居ない。 そんな地獄の様な場所に巨大な城が佇(タタズ)んでいる。 『闇』はその城から勢い良く吹き出し続け、空間にゆっくり浸透している。 この様な不気味な城に住む主人に、立ち向かう者達が居た。 ------------------------------ 『玉座の間』 城の頂上に位置する部屋の入り口を打ち破り、六人の男女が入ってきた。 皆、服の所々が破けていたり、額から血を流している者も居る。 彼らの手には武器が握られており、それぞれが不思議な光を放っていた。 『ここまで着たか‥。ロント=カナル…』 部屋の一番奥からエコー掛かった声が聞こえてくる。 六人は声のした方を向き、武器を構えた。 そこには巨大な玉座が設置されており、一人の青年が黒い鎧に身を包んだ状態で座っていた。 歳は10代後半であると思われるが、外見とは裏腹に、強い威圧感を放っている。 六人のうち、一際強く青い光を放った男性、ロント=カナルがゆっくり武器である剣を青年に向けた。
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