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「そんな、嘘だろ‥。無傷?。外したか?!」
「いや、奴が座っていた玉座は粉々に砕けている。‥認めたくは無いが、効いていない」
ロントは思わず一歩後ずさる。
『同じ『闇使い』か…。忌々しい『光』の力で満ちていたが、この程度では攻撃とは言わないな…』
マルクは右手を上に上げ、何かをブツブツと唱える。
するとそれに答えるかの様に、右手に黒い塊が現れた。
それは次第に大きくなり、数メートルはあろうと思われる球体に姿を変える。
球体の隙間からは黒い炎が頻りに吹き出し、六人は余りの熱さに、手や腕で顔を覆う。
『攻撃というのは…』
「いけない!。皆、散れ!」
ロントは振り返り慌てて指示を出したが、とても間に合わない。
『こう言う物だ!』
マルクが腕を振り下ろすと同時に、球体は六人に轟音を立てながら近付いて行った。
着弾の衝撃により、部屋の屋根と壁が吹き飛び、真っ暗な外が一望できる状態になる。
『ほう‥。『ダークメテオ』をまともに受けて、尚防ぐか』
六人は緑色をした光の膜に包まれ無事であった。
先頭ではヘルメットを被った少年が両手を前に突き出している。
しかし酷く疲れているらしく、荒い呼吸を繰り返していた。
「はぁ、はぁ……」
「すまないギル。助かった」
ギルと呼ばれた少年は、ぎこちない笑みを浮かべながらロントに振り返った。
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