第十一章─反転─

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「お兄ちゃんのいない世界なんて、あたしには必要ない。 お兄ちゃんを潰したあいつごと、世界を壊してやる!」 「それじゃあ悪魔の叫びとやっていることは同じだ! そうするって言うんなら、オレはお前の敵になるしかねぇ!」 「いいじゃん別に! 君が敵でいいから、離れてよ!」 見えない力が、オレを月乃から引き剥がそうとオレを押す。 だが、残った体力全てでそれに抗う。 「……っ敵でいい? ふざけんじゃねぇ!」 本気で月乃の顔面をぶん殴りたい衝動に駆られたが、それを堪えて月乃を睨んだ。 「お前がそれを本気で言ってるんなら、オレはお前を絶対に許さねぇ! それがどういうことなのか、心を読めるお前なら分かるだろ!」 月乃の目がみるみる見開かれていく。 それでもオレにかかる見えない力は収まらない。 「オレはお前の友達だ!」 最後に、がむしゃらにそう叫ぶと同時にオレは吹っ飛ばされた。
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