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やっぱり、これはこれできつい。
皆が無事であったことが分かってよかった。嬉しいはずだ。
なのに、ちっとも喜べない。
右腕の落書きを見ても、特に何も感じない。
ホントに、心が欠けてしまったんだな。
「……一応、あんたはまだ絶対安静ってことになってるからね」
雨宮は急にそんなことを言い、病室の出口に向かった。
「風香ちゃん?」
志摩が心配そうに呼び掛けると、雨宮は小さく笑ながら振り向いた。
「あたし、先に帰るよ。
いつまでもここにいたら怒られそうだし、拓海もまだきつそうだからさ」
「……だな」
それに結城、霧科と続いた。
「怒られるかはともかく、オレは別にいいぞ。どうせ暇だから」
「寝てろ」
バッサリと霧科によって切り捨てられた。
オレ、何か悪いことしたっけか?
「寂しがんなよ。また来てやるから」
「結城……ジュースないなら来ても入れねぇ」
「悲しい友情だな!?」
珍しく結城に突っ込まれ、何か新鮮な気分。だが心は晴れない。
天候で表すなら雷雨だ。
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