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序章 幻想の始まり
――夢を見ていた。
木々が生い茂る森の中を、やや物騒な造形をしている黒い鎧で身を包んだ3人の人間が歩いている夢。
先頭を行く1人は、両腕に何かを抱えている。
分厚く、所々欠けていて、石で出来た板…。
石盤だと、夢の中ながら思った。
急に、木漏れ日が薄れて行くのを感じた。
仰ぐと、晴れていた空が暗雲で染まっていくのが木々の合間からでも見えた。
徐々に雷鳴が鳴り響く。
嫌な予感が募る…。
「少し急ぐか」
先頭を歩く俺が、後ろの2人にそう促して、俺たちはその足を速めた。
…俺?
そんな疑問が浮かび上がったその時、轟音と共に大きな雷が辺り一帯に降り注いだ――。
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