夜、歩く。

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「またかよ」 舌打ちした。 背後に、不細工な殺気を撒き散らす、飢えた獣が隠れている。 少しだけ振り返り横目で見る。 がっしりした体躯の若い男だ。 苦笑いを零して、歩調を速める。 背後の男も歩調を合わせてくる。 まだだ、まだ。 少しずつ。 駆け出しそうになる衝動を抑えて、狭い路地に誘い込む。 荒い呼吸が背後に迫る。 追い詰めた、つもりだろう? 俺がビビってるって 思ってるんだろ? 最高にハッピーな奴。 早く。 早く来いよ。 俺の肩を掴め。
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