夜、歩く。

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肩に衝撃を感じた。 汗ばんだ指が食い込む。 「おい」 思ったより若い声だ。 耳にした瞬間、思わず唇に笑みがこぼれた。 精一杯ドスを利かせてるつもりらしいが、少し上擦っている。 青いんだよ。 笑い出してしまいそうなのを堪えて、肩が揺れた。 「おいって、いってんだろ」 勝ち誇った声。 俺が震えてると、勘違いしたらしい。 振り向いて顔を見てやった。 「何か用?」 驚いてるね。 無理も無いか。 だって俺、楽しくてしょーがないんだよ。 喜びが隠し切れなくて悪いね、全く。 「やるの?  やらないの?」
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