第1章

4/13
前へ
/29ページ
次へ
「ちょっと待ってください!」                         その女は俺の前に行き                『なんや』                「人が困ってるのにシカトですか?」             『俺やて急いでんねん』             「急いでたって少しくらいは声かけたりするでしょう?それにぶつかったからついでにみたいな…」             『あぁ』             俺は鼻で笑った                『道聞くためわざと俺にぶつかったんか』          「は?」          『迷ってるのに誰も話し掛けてくれんし、あんたも自分から尋ねるのも嫌やから、わざとぶつかってそのついでに道聞こうと考えたんやろ?』                   「違います!」             『えぇよ今更。で、何処行きたいねん』                「いいです!あなたになんか聞きたくありません」          『なんやそれ』          「なんなんですか?さっきから。偉そうに。あなたに道聞いたら行きたいとこも行く気失せます」             『お前誰に口きいてるん?』          「あなたです」          『お前俺知らんのか?』          「は?」                      俺はそのまま深く被ってた帽子を取り       そいつに見せたった。      
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

257人が本棚に入れています
本棚に追加