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繁華街から少し離れた
堤防に座り込んで
耳を澄ますと
聞こえてくる
虫の声
川のせせらぎ
魚の跳ねる音
何だか
心が空っぽになって
不意に遠くの
車の音
たくさんの足音
楽しそうな笑い声
それしか聞こえなくなる
煙草に火を点けて
狼煙をあげると
なんだか
とても遠くに来たように
錯覚をしてしまう
立ち上がって家路に着く
水面に移っている自分が
酷くいびつに見えて
「変な顔」
そう呟いて
舌を出してから
その場を後にした
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