追憶

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瞼が重い 少しだけ疲れた 起きているような 寝ているような 微睡みの中で 夢のようなものを見た 炎のような生き方をしてきた 最初は小さな火種に過ぎなかったのに 段々大きくなって それを隠そうともせず 寧ろ周囲に 火花を撒き散らした 時に紅蓮のごとく愛した ある時は燻るように嫉妬し 最後には業火のごとく怒り狂った 振り返れば炭と灰と燃えカスが転がっている 背中一面を焦土にしてまで したかったことはなんだったろうか 雨にも負けて 風にも負けて 私の炎は いったいどこへ行ってしまったのだろうか 目を覚ますと 目の前に自分の手が見えた 何気なくその手を左胸にあてる 「まだあたたかい」 その事実に安堵して 私は外に出るため 着替えをはじめたのだった
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