ただの夢

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あなたが亡くなってしばらく経つけど 私はあの子と二人で元気に暮らしています ついさっきのことなんだけど あの子がテレビで怖い番組を見ちゃったらしくてね 寝ながらうなされていたの 泣きながら寝てるものだから 心配して起こすと 私を見た後 不安げにまわりを見るの 「ただの夢よ」 そう言ってやると ほっと溜め息を吐いて 私に抱き付いてきたの 可愛いでしょう? そうして横になる 少しぼんやりしていると となりで あの人がいつもみたいに笑ってる 私はそれを疑問に思うでもなく あぁ なんだ 全部夢だったんだと 安心して あの人に抱き付く ふと気が付くと 私はひとり 不安になってまわりを見回す やっぱりあの人はいない 「ただの夢よ」 そう言って ため息を吐いたら 無性に泣けてきた 幸せな夢 でも本当に なんて怖い夢なのかしら そんな風に考えている私を あの子は心配そうに見つめていた
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