星がこぼれる

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ひゅんひゅんひゅんひゅん。 お姫様は王子さまに手を引かれ、星空の下を散歩しました。 お姫様は初めての外の世界に胸を踊らせました。 王子様と過ごす時間はとても楽しいものでした。 ドレスの裾が汚れるのにもかまわず野花を摘んだり、水面に浮かぶ星々をすくおうとしてみたり、そういう経験は生まれて初めてのことでした。 「姫、楽しい?」 王子様が心配そうに尋ねました。 「ええ、とっても。こんなに可愛らしいお花なんて見たことないわ」 お姫様は野花の花束を抱えて嬉しそうに微笑みました。 「それはよかった。」 王子様は少し悲しそうな顔をして言いました。 「でももう帰らなくてはいけないね」 お姫様は不思議そうに王子様を見つめました。 「どうして?私はお城を抜け出してきたのよ?帰る必要はないわ」 王子様は小さく首を振りました。 「姫、空を見て」 お姫様が空を見上げると、さっきまでの星々が消えてしまっていました。 「僕はもう……」 王子様の言葉を遮るようにお城の警備兵が現れました。 「姫!!どうしてこのようなところまで……怪我でもされたらどうするおつもりですか!」 お 姫様 は  王 子  様  流  れ 星        は 願 い事  お 城    に お     姫  様     は
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