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翌朝。 なんだか体が軽いような気がした。 すっかり肩の荷が降りたようだ。 もう自分に罪はない。 もう何にも縛られずに生きていける。 思わず小躍りしそうなほどの気分で、久しぶりのお化粧を済ませて外に出た。 アパートの階段を下りた瞬間。 『―――さん、ですよね?ご同行願います』 「…え?」 『25年前の件で、少し伺いたいと思いまして』 そう言う男の手には、一枚の紙。 ―――逮捕…状…? …警察、だ。 「あ、あの…その件でしたらもう…゙時効゙を迎えたのでは?」 そうだ。 もう自分は自由の身なのだ。 このまま素直に警察署に行っても罪に問われることはないが、少しでも早くあの場所へ行きたくて、女はそう言った。 『…ご同行願います』 警察は、女の手をつかむ。 「い…嫌です!」 .
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