1人が本棚に入れています
本棚に追加
―――――
―――――――
――――――――――
あれから25年が過ぎた。
さすがに、世間も忘れている。
だが、警察は未だに女を捜している。
当たり前だ。
それが、彼らの仕事なのだから。
善か、悪か。
そんなことはどうでもいい。
人が死んだ。
その事実さえあれば。
被害者は加害者に変わる。
しかし、それも今日で終わる。
よく今日まで捕まらなかったものだ。
女は、未だ震える手でお茶をすすった。
この手の震えが止まったことはない。
ずっと罪悪感を背負っているのだから。
それは、男達の親族に対するもの。
男を殺めたことには、不思議と罪の意識は無かった。
ぼんやりとそんなことを思いながら、長い最後の1日を終えた。
.
最初のコメントを投稿しよう!