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カチ…カチ…。
時計の音が響く。
あと一時間…。
女の震えは、より一層激しくなる。
もし今、警察に居場所を知られたら?
既に家の外にいて、女が外に出てくるのを待っていたとしたら?
不安は消えない。
時計の長針が、11を指す。
あと5分。
息が詰まりそうだ。
苦しい。
周りは、不気味なほど静寂に包まれていた。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。
女の体が跳ね上がる。
あと3分…。
誰?
こんな時間に…。
長年逃げ続けてきた自分に、もはや知り合いなんていない。
仮にいたとしても、この場所は教えていないのだから、誰も知っているわけがないのだ。
じゃあ誰?
誰なの!?
まさか…警察!?
ピンポーン。
また、鳴る。
怖い。
怖い。
あと少し…あと少しなのに…!
部屋の端でうずくまりながら時計を見ると、残り1分を切っていた。
がちゃっ
.
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