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「おぅ!」
松田さんと野田さんが挨拶を交わす。
恵梨と目が合って、私も、
「あっ、おはよう!」
と、恵梨に軽く手を挙げる。
「フフフ(笑)おはよう!どうだったのよ。あんた達?」
恵梨が楽しそうにこそこそと話してくる。
私が黙っていると、恵梨はまた言った。
「まさか、男女が一晩一緒にいたのに、何もなかったとか?」
私は、頷いた。
「ウソっ!」恵梨は驚いている。そして、松田さんにも話しかける。
「ちょっと!洋昌!話が違うじゃない!何もしないって!」
「あ?お前が勝手に…まぁ、いい。俺は、酔っ払って抱くほど、女には飢えてないし。」
っと、松田さんは、最初苛立ってるように見えたが、静かに答える。
しかし、恵梨は、その感情を逆なでる言い方をする。
「あんたいくらモテるかわかんないけど、だから、いつまでも、彼女出来ないのよ!もしかして、あんた、まだ美知代のこと忘れられないとか?」
松田さんの顔が曇る。
「お前には関係ない。俺は、まだ、遊んでる方が楽だし。」
それでも、松田さんは、静かに答えた。
ん?ってことは、松田さんと恵梨は知り合いってこと?そんな話聞いたことないけど……。
そんなこと考えていると、松田さんが口を開いた。
「そんなことより、お前ら、今日どうすんの?恵梨は根岸さんとどっか行く予定だったんだろ?」
「それなんだけど、この4人で回ったらどうかと話してたの。ダメかな?」
と恵梨。
「……俺は構わない……。」
松田さんは、答える。
「紗胡は?」
恵梨が聞いてきた。
「私も…いいよ。……けど、恵梨?今夜はどうするの?」
私は、恵梨に聞いた。恵梨は、両手を合わせて、私に誤った。
「ごめん!紗胡!この通り!」
そして、松田さんの方に向き直し、
「洋昌!紗胡…よろしくね!」
っと、両手を合わせたまま言った。
「あぁ…、分かった。」
ちょっとちょっと……松田さんまで……。私は、肩を落としていると……。
「じゃ…俺たち、ちょっと用があるから…。」
っと、松田さんは言い、強引に、私の腕を取って私を連れ出した。
連れて来られたのは、ロビーだった。
彼はフロントに行き、何か話している。そして、鍵を持って戻って来た。
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