旅行最終日

2/12

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「おぅ!」 松田さんと野田さんが挨拶を交わす。 恵梨と目が合って、私も、 「あっ、おはよう!」 と、恵梨に軽く手を挙げる。 「フフフ(笑)おはよう!どうだったのよ。あんた達?」 恵梨が楽しそうにこそこそと話してくる。 私が黙っていると、恵梨はまた言った。 「まさか、男女が一晩一緒にいたのに、何もなかったとか?」 私は、頷いた。 「ウソっ!」恵梨は驚いている。そして、松田さんにも話しかける。 「ちょっと!洋昌!話が違うじゃない!何もしないって!」 「あ?お前が勝手に…まぁ、いい。俺は、酔っ払って抱くほど、女には飢えてないし。」 っと、松田さんは、最初苛立ってるように見えたが、静かに答える。 しかし、恵梨は、その感情を逆なでる言い方をする。 「あんたいくらモテるかわかんないけど、だから、いつまでも、彼女出来ないのよ!もしかして、あんた、まだ美知代のこと忘れられないとか?」 松田さんの顔が曇る。 「お前には関係ない。俺は、まだ、遊んでる方が楽だし。」 それでも、松田さんは、静かに答えた。 ん?ってことは、松田さんと恵梨は知り合いってこと?そんな話聞いたことないけど……。 そんなこと考えていると、松田さんが口を開いた。 「そんなことより、お前ら、今日どうすんの?恵梨は根岸さんとどっか行く予定だったんだろ?」 「それなんだけど、この4人で回ったらどうかと話してたの。ダメかな?」 と恵梨。 「……俺は構わない……。」 松田さんは、答える。 「紗胡は?」 恵梨が聞いてきた。 「私も…いいよ。……けど、恵梨?今夜はどうするの?」 私は、恵梨に聞いた。恵梨は、両手を合わせて、私に誤った。 「ごめん!紗胡!この通り!」 そして、松田さんの方に向き直し、 「洋昌!紗胡…よろしくね!」 っと、両手を合わせたまま言った。 「あぁ…、分かった。」 ちょっとちょっと……松田さんまで……。私は、肩を落としていると……。 「じゃ…俺たち、ちょっと用があるから…。」 っと、松田さんは言い、強引に、私の腕を取って私を連れ出した。 連れて来られたのは、ロビーだった。 彼はフロントに行き、何か話している。そして、鍵を持って戻って来た。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加