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次の日の朝、目を醒まし、部屋から出て行くと、彼はもう、着替えていて、今にも出掛けそうな格好をしていた。しかも、スーツだし。
「おはよう…。」
私は、彼に、声をかけた。
「あっ!おはよう!昨日は、ごめん。」
「ううん。気にしないで。それより、大丈夫?」
「あぁ。まぁ。……俺、もう出掛けるから。」
「え?どこ行くの?」
「仕事が入っちゃって。俺、親父の仕事も手伝ったりしてるから、急な仕事も結構多くて。まぁ、グットタイミングと言えばグットタイミングなんだけどさ…。」
っと、舌を出す彼。確かに、昨日と違って、彼は生き生きしていた。
「でも、せっかくの旅行なのに……。」
「そういえば、今日は、どこ行くの?」
「名古屋~!」
「名古屋か。あ!行かなきゃ。じゃ!」
そう言って、彼は出て行った。
私は、夕べの事を思い出していた。
私、なんで、彼を抱きしめたりしたんだろう…。確かに、昨日、彼にキスされたよね…。そう思い、ポーッとしていると、電話が鳴った。恵梨からだった。
「紗胡?どこいるの?」
「部屋だけど…。」
「洋昌は?」
「仕事だとかって出て行ったけど…。」
「そう。帰って来てたのね。ならいいや。それより、紗胡。朝ご飯は食べたの?」
「まだだけど…。」
「何やってんの?もう時間になるよ。」
「え?あ!ホントだ!?急いで行くから。」
と、私は電話を切り、急いで準備し、朝食を食べに降りた。そして、急いで食べ、ロビーに向かった。恵梨達はもう来ていた。
「紗胡~!遅い!」
「ごめん。」
しかし、一人多い。ってか、誰?この外人?そう思ってると、
「彼、今朝、偶然会ったんだけど、ジョニー。一人だって言うから、声かけたの。洋昌いないし…。経理で働いてるんだって。」
「ジョニー言います。よろしくお願いします。」
「よろしく。」
ジョニーと握手を交わした。
私達は、駅に向かった。これから列車で、名古屋まで行く。
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