旅行最終日

10/12

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
松田さんの横にいた女の子が帰ると、私は、彼の傍に駆け寄った。 「行っちゃいました~。」と、寂しそうに恵梨に話しかけるジョニー。 「ふ~ん(笑)あら、いんじゃない?」と、 私と松田さんの方を見て、何やら楽しんでいる様子の恵梨。 私は、松田さんの横に腰かけ、話しかけた。 「知り合い?」 「いや、彼氏いるって言うから、辞めた。」 「ナンパ……。」 私は、ため息をついていると、 「そっちこそ、あっちは良いの?」 と、彼は言った。 「うん…。なんか、気持ち悪くて…。あちこち触ってくるし…。」 「ふ~ん。」 その後、彼は黙って飲み続けていた。 最終列車の時間になり、私達は、駅に向かった。 列車の中は、混みあってて、満員電車のよう。ジョニーのスキンシップはエスカレートし、胸やお尻までも触り始めてきた。 松田さんが見かねて助けてくれた。さっきから、松田さんの胸に私の頭・背中があたり、後ろから手を回し抱かれているような感じになっている。ドキドキして何だか苦しい。 私は彼を見上げた。 「何?」 と、彼。私は、向きを変え、彼と向き合った。私は掴まるところが無くなり、彼の服の裾に掴まったが、伸びるから辞めてと言われ、彼の腕に掴まる。 「なんか、ドキドキして苦しくて……。」 私は言った。彼は、 「それって、誘ってんの?」 と言い、私の頬を撫でた。 「え?違っ…。」 と、私は、松田さんを見上げた。すると、彼は吹き出し、笑い出した。 「え?違っ…て(笑)ハハハ…ハハハ…(笑)あ~おかしい(笑)」 膨れる私に、大笑いしている彼。 そうしているうちに、南知多の駅に到着した。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加