すれ違い

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「…助けてくれたってこと…?ありがとう…。じゃ…私、帰る…。本当にありがとう…」 私は、頭を下げ、その場を立ち去った。 私は、ドキドキしていた…。 次の日、国分さんは、出張で、2~3日、会社には来ないらしい。ホッとする。 夕方になり、みんな帰り始め、今日も私は残業していた。 しばらくして、誰もいなくなり、静まりかえったころ、 「え~?洋昌、今日も仕事なの~?つまんないの~。今度、絶対デートしてね~?絶対だよ~?」 昨日の女の子だろうか、甘えた声が廊下から聞こえる。洋昌という言葉に、私は、ドキッとする。 「じゃ~ね~。」 話は終わったのだろうか。 私は、コーヒーでも飲もうかと、給湯室に行こうと立ち上がった。 「…あれ?仕事?…」 松田さんだった…。ドキッとする私。 「…うん…。」 どぎまぎを押さえ、私は答える。 「…最近、毎日じゃない?ミスでもしたか…(笑)」 そう言って彼は、馬鹿にしたように笑う。 「…コーヒー飲む…?」 彼は頷き、部屋に入ってきた。 私は、給湯室に入り、コーヒーを準備し戻った。 彼は、私の机の横に座っていた。 「…あの…。昨日は、ありがとう…。」 私は、彼にコーヒーを渡し、自分の席に座った。そして、彼に話しかけた…。 「…アイツ、いつも、あ~なの?」 「…え?」 「…あちこち触るっていうか…。」 「…いつもは、普通に良い先輩で…。多分、昨日は、酔ってたからかな…って…。」 「ふ~ん…。…今日は?…」 「2~3日、出張らしいから…。」 沈黙…。話題を変えようと、ドキドキを押さえ話しかけた…。 「ひろ…松田さんも、仕事あって残ってたの…?」 さっきの女の子につられ、洋昌…と言いそうになったのだった。 「う…ん。そうなんだけど、〆切はまだまだ先だから…。それより、手伝おうか?そんなに残ってんでしょ?」 私の机の上の山積みの書類を見て彼は言った。
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