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旅館に着いたのは、夕方で、夕食だと広間に案内された。社長サイドのお偉い様がたによる挨拶の後、宴会へと変わっていた。
皆が夕食をだいたい食べ終えたころ、私たちは合コンへと流れた・・。なんだか、気になる男性もいなく、どんどんカップルが出来ていき、私だけ取り残されたような感じで、テンションが上がらず、抜け出してしまった。
せっかく温泉に来たのになぁと思ったが、飲み足りず、もう少し飲みたいなぁと思っていたところで、お洒落なバーを見つけた。
きゃ~!カワイイ!と思いながら、階段を降りていき、入口を入って見ると、
松田さんと目が合った。彼は、何もなかったように目を反らし、また飲み始めていた。
私は、そこに動けず立ち尽くしていた。お店の人に手を引かれ、案内されたのは、カウンターの彼の席から右に3つ離れたところだった。
私は椅子に座れず立ち尽くしていた。
「何やってんの?座れば?」
松田さんは言った。
私は、ブランデーのソーダ割を頼み、勢いよく飲み尽くした。
「フッ(笑)せっかく、温泉旅行に来てんのに、ヤケ酒?つまんねぇの(笑)」
彼は言った。
私は、またブランデーのソーダ割を頼んで、さらに勢いよく飲み干した。
「無視?何か言ったら?」
と言って、彼はニヤけている。
そして、私は、もう1杯飲もうとしたところで、彼は、私の隣に移って来た。私は、気にせず、それを飲み干した。そして、彼に言った。
「自分こそ、一人で飲んでるじゃない!?皆と出掛けなかったの?」
彼は、今度は、さっきと違い、トゲのない感じで答えた。
「合コン誘われて行ったけど、気が乗らず、5分で出た。そういう君こそ途中で出てきたんじゃないの?さっき、友人からメールあったけど。」
「友人?」
「相沢主催の合コン行ってたんでしょ?さっき行った合コンで、君見たけど?」
「相沢って、相沢恵梨のこと?」
「そう。」
「ふ~ん。あなたもいたんだ~。」
トゥルルル~♪
私のケータイが鳴った。恵梨からだった。
「もし…」
「紗胡?何してんの?2次会、紗胡も来てるもんだと思ったらいないし~。紗胡…もしかして、誰かと抜けたの?」
「そういうわけじゃないんだけど、今、ちょっと、やなヤツと一緒で…」と、だんだん小声になる私…。
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