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朝、どうにも体がダルい銀時はソファーに寝転がって、そんな神楽の言葉を聞いた。
「―――豆まき?」
「銀ちゃん知らないアルか!?今日は『節分』っていう豆を散らかしても子供が怒られないすっごい日ネ!」
「いやいや知ってるからね。お前なんかよりも詳しいからね」
「っていうか、なんか豆まきについて誤解してるよ神楽ちゃん」
いきなり何を言うのかと思えば、豆なんて撒いて何が楽しいんだ。
そう言って立ち上がる銀時。
新八は、その顔色があまり良くないことに気付いた。
「銀さん、大丈夫ですか?」
そう声をかけるが何も言わずにひらひらと手を振るばかりである。
どうやら相当キツイらしい。
「神楽ちゃん、銀さん調子悪いみたいだから豆まきは出来ないよ」
「そりゃねぇぜぱっつあん」
冗談口調だが、その声色は酷く残念そうで、
「やってもいいがここでな。俺ァ先寝てるからよ。新八ィ、神楽の面倒よろしく」
気付いたら、そう口走っていた。
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