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それが、いけなかったのかもしれない。
居間から聞こえてくる楽しそうな声。
新八がお妙を呼んだらしく、女二人分の笑い声が聞こえてくる。
時折 新八の叫び声も聞こえて、鬼をやらされていることは容易に想像できた。
そんな中銀時は、暗い自室で布団にくるまっていた。
頭まですっぽり収まった大きな身体。
神楽やお妙の声が響く度、それは大きく奮えた。
『鬼は外アル!』
「……!」
『いった!ちょっ、もうちょっと加減してよ!』
『何言ってるの新ちゃん。本気でやらなきゃ意味ないじゃない』
『もう一度ネ!鬼はー外!』
「……っ」
がくがくと奮える身体をギュウと抱き締め、小さく縮こまる。
両手で耳をふさいでもそれは聞こえてきて、どうしようもない激動に目を力いっぱい瞑った。
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