鬼は外

4/10
30人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
暫くするとその声も段々小さくなってきて、ただの雑談になった。 ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、身体の内から突然吐き気が襲ってきて、銀時はトイレに駆け込む暇もなくその場で嘔吐した。 「ぅえ……がっ……ぁ」 瞬時に異臭が広がる。 口の奥には酸っぱい胃液がまだ残っていて、堪らず吐き出した。 「はぁ……はぁ……っ」 脱力して、汚物を避けて倒れ込む。 このまま新八たちが帰り神楽が寝てくれるまでじっとして、動けるようになったら片付けに行こう。 それまでにこの気持ちをどうにかしなければ。 「……っ止まれよ」 二の腕を爪を立てて掴む。 震えは収まらない。 「くそっ……くそぉ……」 「銀さん?」 .
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!