鬼は外

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中には酷い異臭が漂っていた。 鼻を掠めるそれに眉を寄せ目を凝らして見ると、布団の上に銀時がいた。 良かった、ちゃんと寝てるみたいだ。 そう思いながらふと視線をずらせば、彼の人の隣には少量の吐瀉物が。 「ぎ、銀さんッ!」 半分悲鳴になりかけた声を上げながら駆け寄る。 どうやら意識がはっきりしてないようで、荒い息づかいが聞こえる。 「銀さん、大丈夫ですか!しっかりして下さい!銀さん!!」 「……んな大声出さなくても、聞こえてる……てぇの」 「銀さん!」 「静かに、しろって……」 閉じかかった瞼を開けて新八に呼びかける様はまるで神楽たちには知られたくないかのようだ。 それに気付いた新八は、お妙に神楽を連れて帰るよう言った。 「僕は銀さんの看病で泊まってくんで、神楽ちゃんのことよろしくお願いします」 「え、えぇ」 .
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