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空は青く透き通っていて、春の訪れを知らすように小鳥達は今日も歌う―。
そんな小鳥達とは異なった潰れかけと判断されても良いようなギルドに青年は、いた―。
「………」
ただ、呆然として窓からの景色を見ている青年、シルクを見てここのギルドで依頼を片付ける男は、声をかけた。
「おーい。白い死神さんよぉ……」
「黙れ」
即答に返事が返ってきたのに対して驚いたのか目を丸くした男だが、やがて苦笑してシルクを見る。
「そんなに怒らんでも、いいだろぉ?」
男は言いながら笑い自分の武器、ハンマーを軽々と持ってみせた。
「何が、したいんだよ?」
男の意味不明な行動に横目で男を見て言うシルク。
「何がしたい?ハハッ!」
男は馬鹿にしたように笑い、口をまた開けた。
「ただ持っただけだ」
言葉を言い終わると男は歯を見せて笑った。そのどうでも良い答えに
「ふーん……そっ」
と、シルクはあっさりと流したのだった。
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