悲劇の主人公にしないで1

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部屋にはたくさんのスコーン…美味しい暖かい紅茶はポットに…さぁ、もう準備は万端… 綱吉は平民の服を着て、バスケットを持った。窓から飛び出す。ああ…寒いはずなのに胸がときめいて、春のような気持ちになってしまう。 裏路地-約束通りに骸はいた。 「綱吉君!」 骸はツナの姿を見つけると嬉しそうに頬を染めて、走り寄ってきた。 冬が近いというのに継ぎ接ぎだらけのTシャツを一枚と同じくボロボロのスラックスに靴。辛うじてマフラーをつけているのが幸いだ。 「骸、寒そう…これ着て!」 ツナは自らの分厚いコートを骸に羽織らせる。 「君が風邪をひいてしまいますよ?」 「オレは平気だよ!こう見えて、体は丈夫なんだ!」 ツナはそう言って笑うと骸は苦笑して、コートを羽織ったままにしておく。 「綱吉君のいい香りがします…それに綱吉君のぬくもりが伝わってきますよ…堪らなく…愛しい」 優しい笑顔で骸がそう言うと、ツナは頬を染めた。 「骸!はい!」 ツナは骸に大きなバスケットを渡す。 「なんですか?これ…」 骸はバスケットの中を確認しながら言った。 「お菓子と紅茶…この前、助けてくれたお礼に…」 ぐぅー このタイミングで骸の腹部は空腹を訴えた。骸は恥ずかしそうに俯く。 「食べよっか!」 「…恥ずかしい限りですが…頂きます…あの妹たちも宜しいですか?あの子たちもお腹を空かせています…」 ツナは目を見開くと、嬉しそうに笑った。 「いいよ!」
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