10/44
前へ
/83ページ
次へ
「早くしてよね」 媛と裕貴は、近くにあったベンチに腰を降ろした。 「あの、人に言わないでくださいね?」 「分かってるわよ」 媛は、裕貴をじっと見つめた。 「実は僕―――――眼鏡を取ると性格が変わっちゃうんです」 「………………はぁ?」 裕貴は、はぁっとため息をついた。 「その、媛さんなら男の扱いに慣れてるから治せるんじゃないかと思って。………かなりモテるし」 「……プフッ」 媛は、アハハと笑い始めた。 「絶対嘘でしょ? そんな事あり得ないもん」 「ほ、本当です」 裕貴は、ぐっと拳を握った。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

129人が本棚に入れています
本棚に追加