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赤い傘を手に持ち
晴れた午後にきみは言う
「月曜日の朝食は何だったかな」
机の2段目の引き出しを、きみは思い出す。きみは目を閉じる。
「甘すぎたトマトスープに残ってたチンした白身魚。それにご飯と林檎…」
きみは知っている。そこには彼が居たことを。
トマトスープを彼が3連続で作って実は飽き飽きしていた事を。
きみは知っている。
それは月曜日ではなかった事を。
使い道のない傘を強く握った。
彼は居ない。きみは居る。
きみは傘に言った
「あなたもトマト色なのね…」
今度会うとき、僕は君に言いたい事がある、特別なことだ。
「きみとなら」
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