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「う……ん…」
二人が気を失ってから、数時間が経ち、龍奈がようやく目を覚ます。
「………?」
(あれ…ここ何処だろう…)
龍奈は自分が今居る場所が何処なのかと辺りを見渡す。そして…
「…お兄ちゃん!」
「ん……龍奈…?」
龍奈は横で倒れていた龍雅を見付け、声をかける。龍雅はすぐに目を覚ました。
「良かったぁ……ってあれ…?」
「どうかしたの?龍奈」
「いや…お兄ちゃんと私が双子だって事は分かるんだけど…小さい頃の記憶が思い出せない…というか、今以前の記憶が思い出せない…」
「確かに…僕達はどうしてここに居るんだろう…」
龍奈は龍雅が目を覚まして安心するが、突如その顔は疑問を持った顔へと変わる。龍雅がどうかしたのか聞くと、龍奈は今以前の記憶が思い出せないと言った。龍雅も、今自分達が何故ここにいるのか、理由を思い出せなかった。
「もしかして…記憶喪失ってやつなのかな…」
「それにしては、自分達の名前は覚えてるし、僕達が双子だって事も分かるよね」
「うん。じゃあ、記憶喪失じゃ…ないのかな?」
「それはどうか分からないよ;」
龍奈は記憶喪失かと言うと、龍雅が自分達の名前は分かるし、関係も分かると返す。
「とりあえず、ここで立ち止まっていても仕方ないから歩こうよ。何か思い出すかもしれないし」
「うん、そうだね」
龍雅が立ち止まっていても仕方ないと龍奈に言い、二人は何か思い出すかもしれないと歩き始めた。
「何も無いね…」
「周りは木だらけだし…ここは森なのかな?」
「そうかもしれないね」
龍雅と龍奈はしばらく歩いたが、建物も何も見付からず、木しかない事から、森だと推測をする。
「あら…?」
龍雅と龍奈が歩いている所を、巫女服を着た少女が見付け、首を傾げる。
「見ない顔ね…とりあえず話を聞いてみましょうか」
少女は龍雅と龍奈に話しかける事にした。
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