プロローグ

3/3

101人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
「う……ん…」 二人が気を失ってから、数時間が経ち、龍奈がようやく目を覚ます。 「………?」 (あれ…ここ何処だろう…) 龍奈は自分が今居る場所が何処なのかと辺りを見渡す。そして… 「…お兄ちゃん!」 「ん……龍奈…?」 龍奈は横で倒れていた龍雅を見付け、声をかける。龍雅はすぐに目を覚ました。 「良かったぁ……ってあれ…?」 「どうかしたの?龍奈」 「いや…お兄ちゃんと私が双子だって事は分かるんだけど…小さい頃の記憶が思い出せない…というか、今以前の記憶が思い出せない…」 「確かに…僕達はどうしてここに居るんだろう…」 龍奈は龍雅が目を覚まして安心するが、突如その顔は疑問を持った顔へと変わる。龍雅がどうかしたのか聞くと、龍奈は今以前の記憶が思い出せないと言った。龍雅も、今自分達が何故ここにいるのか、理由を思い出せなかった。 「もしかして…記憶喪失ってやつなのかな…」 「それにしては、自分達の名前は覚えてるし、僕達が双子だって事も分かるよね」 「うん。じゃあ、記憶喪失じゃ…ないのかな?」 「それはどうか分からないよ;」 龍奈は記憶喪失かと言うと、龍雅が自分達の名前は分かるし、関係も分かると返す。 「とりあえず、ここで立ち止まっていても仕方ないから歩こうよ。何か思い出すかもしれないし」 「うん、そうだね」 龍雅が立ち止まっていても仕方ないと龍奈に言い、二人は何か思い出すかもしれないと歩き始めた。 「何も無いね…」 「周りは木だらけだし…ここは森なのかな?」 「そうかもしれないね」 龍雅と龍奈はしばらく歩いたが、建物も何も見付からず、木しかない事から、森だと推測をする。 「あら…?」 龍雅と龍奈が歩いている所を、巫女服を着た少女が見付け、首を傾げる。 「見ない顔ね…とりあえず話を聞いてみましょうか」 少女は龍雅と龍奈に話しかける事にした。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加