迷い込んだ兄妹

27/48
前へ
/156ページ
次へ
「そうなんですか;」 「はい;…あ、着きましたよ。お~い、にとり~」 「ん?どうかしたかい椛…ってどちら様?」 「僕は蘇王龍雅です。こっちは妹の龍奈です」 「はじめまして」 龍雅が返事をすると、椛が着いたと言い、恐らく椛の友達であろう、にとりという人物を呼んだ。すると帽子を被った少女が何かと出てきて、龍雅と龍奈を見る。二人は少女…にとりに自己紹介をした。 「ははぁん、見た所外来人のようだね。私は河城(カワシロ)にとり、よろしくね」 「はい♪」 「それじゃ今日はまだ行く所があるから」 「案内か、頑張れ椛」 「頑張る程でも無いと思うけど;」 にとりは二人を見て外来人だと判り、自己紹介をする。椛がまだ行く所があるからとにとりに言うと、にとりは頑張れとエールを送る。椛は頑張る程でも無いと苦笑いしながら次の場所へと向かった。 「龍雅さんと龍奈さんってここに来る前はどんな場所に住んでいたんですか?」 「えっと…それが記憶が無くて…」 「ええ!?記憶喪失だったんですか!?」 「はい、そうなんです;自分達の名前とかは判るんですが;」 「そうでしたか…それは失礼な事聞いてしまいましたね」 「あ、いえ別に気にしていないですから;」 歩いている途中、椛がふと龍雅と龍奈に何処に住んでいたのか尋ねると、龍奈が記憶喪失だという事を話す。椛はそれを聞いてかなり驚き、失礼な事を聞いたと謝る。 龍雅は別に気にしていないから大丈夫だと椛に言った。 「それなら良かったです♪あの…」 「はい?」 「もし…差し支え無いのでしたら、お二人の事、呼び捨てでも良いですか?」 「もちろんです♪僕達の方こそ、呼び捨てで良いですか?」 「うん、良いよ♪」 「ありがとう、椛♪」 椛は良かったと言うと、何かを言いかける。龍奈がどうしたのか尋ねると、椛は二人を呼び捨てにしても良いかと尋ねてきた。 龍雅が良いと返事をし、椛に同じ事を聞き返す。椛はもちろんだと言い、龍雅がお礼を言った。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加