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「でも、何で急に?」
「えっ!?あ、いやそれはその…」
『?』
龍奈がどうして急に呼び捨てにしたいのか聞くと、椛は何やら恥ずかしがり、黙り込む。二人は何事かと首を傾げる。
「ふ、二人と仲良くなりたかったから…」
「そっか、確かに呼び捨ての方が話しやすいしね」
「うん、それに…」
「それに?」
「あ、いや何でもない;さ、先急ごう;」
『何だろう?』
椛は二人と仲良くなりたかったからと、顔を紅くしながら言った。龍雅が呼び捨ての方が話しやすいしねと言うと、椛はそれにと何かを言いかける。
龍奈が続きの言葉を聞こうと尋ねると、椛は何でもないと言い、先を急ごうと答えをはぐらかした。二人は何だろうとますます首を傾げた。
(そういえば椛って会った時からやけにお兄ちゃんの方をちらちら見ていたけど…もしかして)
「ねえ椛、ちょっとこっち来て」
「あ、うん」
「お兄ちゃんはちょっと待ってて」
「?…うん」
龍奈は椛と会った時の椛の行動から、何かを察し、椛を呼び寄せる。龍雅には少し待つように言い、椛を連れて龍雅から少し離れた。
「ちょっと耳貸して」
「うん」
(もしかして椛って、お兄ちゃんに一目惚れしたとかない?)
(い、いいいいきなり何を言うの龍奈!?;)
(えっ、だって椛会った時からずっとお兄ちゃんの方ちらちら見てたからそうなんじゃないかな~って思って。それならさっきの発言も微妙に納得いくし)
龍奈は椛に耳を貸すように言うと、耳打ちで椛に兄に一目惚れしたのではないかと言うと、椛は顔を真っ赤にして何を言うのかとヒソヒソ声で叫んだ。
龍奈は会った時から兄の方をちらちら見ていたからそうではないかと推測したと言い、それならさっきの発言も納得がいくと話した。
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