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「ごめん、椛。僕のせいで…」
「龍雅、気にしないで」
「う、うん…とりあえず何か応急処置をしないと」
「布か何かあれば良いんだけど…」
「…じゃあ、これで良いかな。ちょっと汚いかもしれないけど」
龍雅は自分のせいで怪我をしてしまった椛に謝ると、椛は優しく微笑み気にしないでと言った。
龍雅はとりあえず応急処置をすると言い、龍奈が布か何かがあれば良いけどと周りを見渡す。龍雅は少し考え、ちょっと汚いかもしれないけどと自分の服の裾を破いて椛の怪我をしている箇所に縛った。
「りゅ、龍雅?良いの?服…」
「うん、僕のせいでもあるからこれ位はしないと」
「…ありがとう♪」
「とりあえず残りの厄は全て私が回収しておきますわ」
『えっ?』
椛は龍雅の行動に唖然とし、服は良いのかと尋ねる。龍雅は自分のせいでもあるからと言うと、椛はにっこりと笑い、お礼を言った。
雛が突然残りの厄は回収しておくと言うと、龍雅と龍奈は何事かと首を傾げた。
「私は鍵山(カギヤマ)雛、厄神ですわ。私はこうやってくるくると回って厄を回収しているのですわ」
「それが雛様の能力でもあるんだよ」
「そうなんだ…あ、自己紹介が遅れました、僕は蘇王龍雅です」
「私は妹の龍奈です」
「あなた達の事は実は妖怪の山に来た辺りから話は聴いてましたわ」
雛が自己紹介をし、厄神でありくるくると回りながら厄を回収している事を話す。椛がそれが雛の能力であると付け足し、龍雅と龍奈が遅れたと言って自己紹介をする。
雛は二人が妖怪の山に来た時から話を今までずっと聴いていたと言った。
「雛様知っていたなら教えて下さいよ;」
「その時はまだ厄が無かったのですわ」
「つまりここに来て急に厄が出てきた訳ですか;」
「その通りですわ」
椛は厄がある事を知っていたなら最初から教えてほしかったと言うと、雛はその時はまだ厄は無かったと話す。
龍奈がここに来て厄が出てきたのかと言うと、雛はその通りだと答えた。
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