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「あ、はい。龍奈も良いよね?」
「うん」
「それじゃ行きましょうか」
「待ちなさい」
龍雅と龍奈は霊夢の住む場所へと行くと頷くと、霊夢は龍雅と龍奈に案内するように歩き出す。その時、何処かから霊夢達を止める声がした。
「…何よ、紫(ユカリ)」
「霊夢、あなたさっきこの子達を私が連れてきたみたいな言い方したわよね?」
「違うの?」
「大間違いよ。私はこの子達を連れてきた覚えはないわ」
霊夢が声の主の名前を紫と呼んだ。すると風景がいきなり割れ、そのスキマから紫が現れた。紫は話を聞いていたようで、龍雅と龍奈を連れてきたのは自分ではないと言い張った。
「じゃあ誰が連れてきたのよ」
「そんな事こっちが聞きたいわよ」
「あ、あの…あなたは一体…それに、連れてきたって…?」
「あら、ごめんなさい。私は八雲(ヤクモ)紫よ。連れてきたって言うのは…あなた達は自分達が元居た世界から、私達の住む場所、『幻想郷』に来ちゃったって事よ」
霊夢は紫が犯人ではないとしたら誰が連れてきたのかと紫に尋ねるが、紫は自分が聞きたいと返した。
龍雅が紫に何者なのか、そして連れてきたとはどういう事なのか尋ねた。紫は龍雅と龍奈に自己紹介をし、龍雅と龍奈は二人の住んでいた世界から、幻想郷へ来てしまったという事を話した。
「元居た世界…?幻想郷…?」
「あんた達、自分達の住んでいた場所すら覚えてないのね;」
「ああ、そういえば記憶喪失とか言ってたわね」
「はい…でも何で紫さんはその事を?」
「ほら、さっき私が出て来たスキマあるでしょ?あの中で聞いてたのよ♪」
龍奈が紫の話を聞き、何が何だか分からないと首を傾げる。霊夢が住んでいた場所も覚えてないのかと言うと、紫は記憶喪失だったという事を思い出す。
龍雅が何故その事を知っているのかと尋ねると、紫はスキマの中で話を聞いていたと満足げに答えた。
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