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その中で一人だけ立ち、その小さな両手で檻を掴み、力強い眼光で色褪せた畑を見ている少年がいた。
長く伸び、紐で束ねられるほど長い金髪に青い色の瞳。身長は125㎝程で年齢は8才くらいだろう。
泥で汚れ、服装も他の奴隷達と同じようにみすぼらしい灰色の布を着ているが中性的な顔立ちと長い髪から少女にも見えなくもない。
だが彼はその顔を怒りで歪め、握りしめた手は檻に食い込むようだ。
「ぜっ…絶対…に…」
彼らを乗せたトラクターは都市部に入り、奴隷売買が行われる地区へと近づいていた。
そこは治安も悪く、暴力沙汰はもちろん。薬物、売春が平然と行われ、時折銃声までも聞こえる。
とはいえこの街はまだ治安が良い方だ。
「…絶対…に…」
悪い所では一つの都市そのものがこのような暗黒街となっており、そこに人の理性など存在しなかった…
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