2人が本棚に入れています
本棚に追加
すると監督は思いもよらないことを口にした。
「よしっ。じゃあ藤井。お前が代走に行け」
「えっ?」
言葉が止まった。監督の言っていることが掴めない。
「お前…試合出たいんだろ?」
「で…でも僕は……」
「義足だから…。そう言いたいんだろ?それがどうした藤井。お前は甲子園の韋駄天じゃなかったのか」
「でも…それは…」
涙が溢れる。
「もう何も言わなくて良い藤井。みんな!この場面、代走は誰が1番むいてると思う?」
監督はベンチのみんなに白々しく質問をした。
「もちろん藤井です」
「えっ?藤井に決まってるじゃないですか?」
「藤井しかいませんよ!」
チームのみんなもみんなで、白々しい。でも涙は止まらない。
最初のコメントを投稿しよう!