暇だぁ……

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そのような態度がまたレイルの気に触ったのだろう。 「サッキオレガヤツラヲカタヅケテイルトキニゼンブノンダンダナオマエラ……」 怒りのあまりか言葉が片言になっている。 どす黒い感情が彼を支配し、それが視覚化するようにも見える錯覚。 そこには得体の知れないなにかが漂っていた。 「ソノコウイヲイヤトイウホドコウカイサセ――」 「でも詰め所にコーヒーあるよ、たぶん」 「詰め所に戻ろうか。いますぐに」 『相変わらず切り替え早いね(な)(ですね)』 レイルの言葉を遮りシャーネが詰め所にコーヒーがあることを述べた時、レイルからは鬼気が消え嬉々とした表情が浮かんだ。 危機は去ったのだ。 それはまさに一瞬の出来事であった。 その切り替えの早さには驚くべきものがあるが、皆慣れっこであった。 コーヒーの事となるとレイルは必死になるようだ。 「……まあいいじゃん。俺らも休もう」 肩を回して疲れをほぐしながらマルスが提案する。 「そうですね……今日は忙しかったですし」 「なら早く行こう。今回は疲れたよ」 ルイ、シャーネも肯定の意を述べる。 今回はウルフ、ゴブリン、ガルーダの群れが相当な数で襲撃してきたため大分疲れたのだろう。 「コォオオヒィイイイ!」 「兄貴待って! 恥ずかしいからやめて!」 「お、競争か! それなら俺だって負けないぜ!」 それぞれが自警団の詰め所へ駆けていく。 だが彼らが去った場所には一人だけが残された。 「……みんな子供ですか?」 たった一人残されたルイが、少々呆れながらそうつぶやいた。
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